新型コロナウイルスによる在留資格手続きの特別な取り扱いについて
2020年4月1日(水)
こんにちは。新型コロナウイルス感染症が広がっている現在、外国人の皆様や雇用企業の皆様は在留資格の手続きで様々な不安があると思います。
在留資格の提出先である入管窓口では、待ち時間が長時間になることが多く、現在、窓口の混雑緩和のために特別な取り扱いや、帰国困難な方のために様々な措置が公表されています。今回はそれらの情報をまとめてみました。
(注)以下の情報はすべて2020年3月27日現在のものとなります。
(1)COE(在留資格認定証明書)をすでにお持ちの方
通常、COEは有効期限3か月間ですが、当面の間6か月間有効になります。
しかし、ビザの発給申請時に3か月以上経過したCOEを使用する場合は、受入機関が作成した「認定申請時の活動内容のとおりに受入できる」ことが書かれた書類(様式は任意)が必要になります。
また、上陸申請時に有効なCOEである必要があります。
(2)2020年3月1日~4月30日が在留期限の方(「短期滞在」、「特定活動(出国準備期間)」の方は除く)
在留期限から1か月後まで、在留資格の変更・更新許可申請ができます。
(3)日本で2020年1月31日~3月31日に生まれ、在留資格の取得申請をしなければならない方
申請期限(生まれた日から30日以内)から1か月後まで、つまり、生まれてから61日目まで申請できます。
(4)上陸制限措置の外国人(新型コロナウイルス感染者、湖北省又は浙江省発行のパスポートをお持ちの方、訪日前14日以内に以下の表の国・地域に滞在した方、船内で新型コロナウイルス感染症発生のおそれがある旅客船にのっている方)について
〇アジア地域 ・中国(湖北省又は浙江省),韓国(大邱広域市,慶尚北道清道郡,慶山市,安東市,永山市,漆谷郡,義城郡,星州郡,軍威郡) 〇中東地域 ・イラン・イスラム:すべての地域 〇欧州地域 ・アイスランド,アイルランド,アンドラ,イタリア,エストニア,オーストリア.オランダ,サンマリノ,スイス,スウェーデン,スペイン,スロベニア,デンマーク,ドイツ、ノルウェー,バチカン,フランス,ベルギー,ポルトガル,マルタ,モナコ,リヒテンシュタイン,ルクセンブルク:すべての地域 2020年3月27日時点 |
①すでに入国のために申請済みの方
当面の間、審査が保留されます。上陸制限対象者を含む複数名を同時に申請した場合は、他の申請人とは別に許可が下りることになるので、上陸制限対象者用の返信用封筒の追加提出が必要です。
②すでに申請済みの方で、入国時期を変更したい方
受入機関作成の理由書のみの提出で入国時期の変更が可能です。
③再入国出国中に在留期限が過ぎてしまい、改めて認定証明書交付申請をした方
申請書、受入機関作成の理由書のみで申請可能です。
(5)帰国便の確保や本国への帰宅が困難な方(遠方の空港を利用すれば帰国できるが、最寄りの空港では帰国できない方も含まれるようです)
①「短期滞在」で在留中の方
「短期滞在(30日)」の在留期間更新が許可されます。
②「技能実習」・「特定活動(外国人建設就労者・外国人造船就労者)」で在留中の方
「特定活動(30日・就労可)」への在留資格変更が許可されます。
③その他の在留資格で在留中の方(上記②で就労を希望しない方も含む)
「短期滞在(30日)」への在留資格変更が許可されます。
※上記①~③について、帰国が困難な事情が続いている場合は更新が可能です。
(6)技能実習制度・特定技能制度関係について
①入国が遅れそうな方
実習計画の技能実習開始期間から3か月以上遅れる場合は、通常の実習生受入時と同様に、変更から1か月以内に外国人技能実習機構に軽微変更届出書を提出します。
②技能実習を修了したが、帰国便の確保や本国への帰国が困難な方
帰国できる環境が整うまで「短期滞在(30日)」、または、滞在費のための就労を希望する場合は「特定活動(30日・就労可)」への在留資格変更が許可されます。(従前の受入企業との契約に基づいた業務、報酬である必要があり、帰国が困難であることを確認できる資料及び理由書が必要です)
また、帰国が困難な事情が続いている場合は更新が可能です。
③一時帰国した実習生が再入国できないため、実習の再開を遅らせたい方
外国人技能実習機構に技能実習実施困難時届出書を提出します。再入国が可能になった後、軽微変更届出書を提出し、技能実習を再開できます。
技能実習の中断のため在留期間を延長する必要がある場合は、提出した技能実習実施困難時届出書と軽微変更届出書のコピーを添付して在留期間の更新許可申請が必要です。
ただし、許可された在留期限内に再入国できない場合は、改めて在留資格認定証明書交付申請をやりなおす必要があります。
④実習生が入国後、発熱等の症状があり、しばらく様子を見た後に実習をはじめたい方
実習生の健康観察のために在留期間を延長する必要がある場合は、上記③と同様、技能実習実施困難時届出書と軽微変更届出書のコピーを添付し中断期間がわかるようにして、在留期間の更新許可申請が必要です。
⑤新型コロナウイルスの影響により技能検定等の受験ができない方
新型コロナウイルスの影響により技能実習の目標の技能検定等が受験できない方は、合格後、速やかに次の段階(2号・3号)への移行手続きを行うこと等を条件に、「特定活動(4か月・就労可)」への変更許可が認められます。(従前の受入企業との契約に基づいた業務、報酬である必要があり、技能検定等が受検できない理由の説明資料及び次段階の技能実習に移行するまでの雇用契約書が必要です)
ただし、この変更許可を受けて在留した期間は、次段階の技能実習期間から除かれます。
(例:1号実習生が「特定活動(4か月・就労可)」により3か月間在留した場合、2号移行後の在留期間の合計は、2年-3か月=1年9か月になります)
⑥新型コロナウイルスの影響により「特定技能1号」への移行が遅れる実習生の方
「特定活動(4か月・就労可)」への変更許可が認められます。(従前の受入企業との契約に基づいた業務、報酬である必要があり、「特定技能1号」への移行が遅れることの説明資料、「特定活動(4か月・就労可)」での活動内容等に係る誓約書、「特定技能1号」への雇用契約書が必要です)
以上、現時点での在留資格関係の措置をまとめてみました。
今まさに帰国が困難な外国人のビザ更新等、イレギュラーな申請も数多くあります。
母国に帰ることができるかどうか、不安な気持ちを持っている外国人の方や、雇用企業の皆様に代わって、豊富な知識と経験をもつ専門家が在留資格の手続き・その他ご相談を承ります。
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